10年ごしの時間旅行(小説)

子どものころ両親の仕事の都合で転校を経験した少女の物語。「カテゴリー:プロローグ」からお読みください。

47- 訴え


学校から帰ると毎日、「帰りたい」「学校に行きたくない」と口にした。
母「そのうち馴染めるから」「馴染もうと思わないといつまでも馴染めないよ」

それでもさんざん訴えた。
世界の急変に私の心が追い付かなかった。
私も命がけだった。なんとか今いる世界を生き延びるための、必死の訴えだった。