10年ごしの時間旅行(小説)

子どものころ両親の仕事の都合で転校を経験した少女の物語。「カテゴリー:プロローグ」からお読みください。

79- 愛せない



もう、誰も。愛せない。
小学生の時のように、心の底から友人と思えるあの感覚が感じられることは、この先、永遠にないのだろう。
じゃれあって、もみくちゃになって、そんな距離で相手の温度を感じて、そんな感覚が得られることは、もう永遠にない。