10年ごしの時間旅行(小説)

子どものころ両親の仕事の都合で転校を経験した少女の物語。「カテゴリー:プロローグ」からお読みください。

133- 普通への憧れ


自分がどれだけ馴染もうとしても、よそ者だった。
周りは小さい時からずっと一緒に過ごしている。
これまで共有してきた時がちがう。
みんなと同じにはなれない。

だから、普通になりたい、大多数と同じ側にいきたい、
なぜなら、疎外感を感じたくないからー
そんなことを思って、ずっと“普通”に憧れて生きてきた。
“みんなと同じ側”に行きたかった。

自分は自分と、going my wayに進めたらいいのだろうけれど、私にはそれはできなかった。
転校してから、ずっと普通への憧れにとらわれている。