10年ごしの時間旅行(小説)

子どものころ両親の仕事の都合で転校を経験した少女の物語。「カテゴリー:プロローグ」からお読みください。

32- 新しい街の違和感


中学生になって、初めて転校を経験した。

新しい街に入り、その瞬間にわかった。
ここは私の居場所じゃない、と。
ここは、ちがう、と。
ここにいてはいけない、と、
直感的にわかった。

大人になって様々な街での暮らしを経験して、子どもの頃のあの時の直感は当たっていたんだと、わかる。