10年ごしの時間旅行(小説)

子どものころ両親の仕事の都合で転校を経験した少女の物語。「カテゴリー:プロローグ」からお読みください。

148- だれか…


大人になって思うこと。
あれから15年経って思うこと。

誰か…抱きしめてくれればよかったのに。


どんなに優しい笑顔も、どんなに勇気の出る言葉も、いらない。
ただそっと、ただそっと抱きしめてくれる人がいればよかったのに。


どうしてあの時、誰も助けてくれなかったの…?