10年ごしの時間旅行(小説)

子どものころ両親の仕事の都合で転校を経験した少女の物語。「カテゴリー:プロローグ」からお読みください。

58- 夜が明けて


それからの数年間は、罪悪感との戦い。

一夜明けて。
次の日。心ここにあらずの本当の意味を知る。
初めての感覚だった。
学校の先生には、授業聞けと怒られた。
その授業で先生に注意された1コマ以外は、全くその日周辺の記憶がない。きれいにすっぽりない。
どういう風に学校に行ってどうやって家に帰っていたのか、
どうやって毎日を過ごしていたのか、
何を感じていたのか、
何の記憶もない。